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ニートって聞くと、あんまりいい印象持たない人が多いですよね。
今回わたしが読んだ「ニートの歩き方」は、
そんなニートのイメージを”もしかしたら”変えてくれる本かもしれません。
本書は、京大卒の自称(?)プロニートのphaさんが書いた本で、
- ニートになる人の特徴や、
- ニートが生まれる背景、
- どうやって生きているのか、
- 社会に対するニートの主張など、
様々なニート論が展開されています。
中にはちょっと屁理屈なんじゃないかなという部分もありますが、
全体を通して見ると、「確かにな」という部分が多いです。
ただ最初に断わっておくと、これはニートを全肯定するための本ではなく、
「ニートってそんな悪い事じゃないから、許してちょ」って感じの本です。
すこしだけ読んだ感想を書いていきます。
死ぬくらいなら逃げろ!
仕事を頑張りすぎて、過労死、自殺する人っていますよね。
そういうニュースを見るたびに、悲しい気持ちになります。
仕事って死ぬに値するほど大事なのか?
ちょっと極端ですけど、
ニート or ダイ(死)
だったら、どっちを選択しますか?(させますか?)という話です。
人に死んでほしい人なんていないでしょ。
死ぬくらいならニートになったっていいじゃないの?、ということです。
心が病んだり、病気になったり、死を考えたりするくらいなら、
そんな仕事なんかにしがみつかずに、ニートになったらいい。
わたしもそう思います。
現代はニートにとって最適
なんでこんなにもニートが増えているかと言うと、
今の社会がニートにとって大変居心地のいいものだからでしょうね。
社会保障とか色々あるでしょうけど、
一番の要因はインターネットです。
仕事って社会と交わるための重要な要素の一つだったわけですが、
インターネットが登場してからは、別に外にでなくても仕事をしなくても、
色んな人と繋がれるようになりました。
また、無料の動画コンテンツ、ゲーム、音楽など、
お金がなくても遊べる時代になってしまったのです。
お金もいらない、人とは交流できる、娯楽はそろっている、
となると、
頑張って仕事をする意味が分からなくなるんですね。
ニートだって条件がそろっているからニートになるんであって、
何も考えずにニートになる人はそうそういません。
インターネットがなかったらニートやってますか?って話です。
人には「向き」「不向き」がある。たまたまニートが向いていた。
結局はここに収束するんじゃないかなと思うんですが、
人間これだけの人がいれば「向き」「不向き」があります。
著者であるphaさんは、
- とにかく同じ空間に長時間いることが苦手で、
- 人とのコミュニケーションも2時間が限界、
- 朝起きるのも嫌いという、
とても「普通」の社会人として生きていく素質がありませんでした。
だから、phaさんが選んだのが「普通」とは違う生き方だったんです。
要するにイヤなことを排除した生活ですね。
- 好きな時に好きな場所に行けて、
- 無理に人とコミュニケーションを取る必要がなく、
- 朝は何時に起きてもいい、
それがニートだったわけですね。
phaさんにとって「普通」のサラリーマンのような生き方が「不向き」で、
ニートのような生き方が「向いていた」というだけなんです。
例えば、ニートになって3ヶ月で飽きるという人がいますよね。
逆にそういう人はニートに「不向き」なんです。
社会はそうやって上手いことできています。
まとめ
サラリーマンを同じような理由でドロップアウトしたわたしからすると、
「ふんふん」と納得する部分がめちゃくちゃ多かったですね。
(わたしが好きな家入一真さんと考え方が似ているからかもしれませんが。)
生き方なんて人それぞれで、
自分が納得しているなら他人から干渉される筋合いなんてないんです。
サラリーマンとして生きれる人はそうしたらいいし、
ニートとして生きれる人はそうしたらいい。
「世の中がニートだらけになったらどうするんだ」というバカげた話がありますが、
そんなことありえないでしょう。
おそらく「普通の人」ならニートの生活はとても耐えられたもんじゃないですよ。
1点だけphaさんとわたしと価値観が異なるのが、
親への感謝の気持ちですね。(本には書いてないだけで実際考えているのかもしれませんが。)
どういう人生を過ごすのかは自分の勝手ですが、自分を生んで大人まで育ててくれた親への感謝の気持ちは、どこかで返すべきです。(とわたしは思います。)
それには確実にお金が必要になります。
手紙や言葉だけでは到底足りない感謝の気持ちがあるので、
どういう生き方をしようとも、そこだけはしっかりと恩返ししていきたいです。
と、最後に本とは関係のない話になりましたが、
今ニートの人も、これからニートになる予定の人も後ろめたく思う必要は全くなく、
むしろ自分が生き残る術だと考えてもいいくらいです。
人生は、生きてこそなんぼですから。