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めちゃくちゃ心に突き刺さり、
頭では理解できるけど、
はたしてそんなこと可能なのか?
読み終えた後の感想はそんな感じでした。
一度読み始めると止まらなくなる、面白さがあります。
古賀史健さん著「嫌われる勇気」。
フロイト、ユングと同じ時代を生きた大哲学者(心理学者?)であるアドラーの教えを、
[哲人]と[青年]という2人の対話によって説いていくものです。
- 自由とは?
- 幸せとは?
- 人生とは?
人間の根幹にかかわる疑問に全て納得のいく形で回答しています。
人によっては合う合わないがあるかもしれません。
それでも、こういった考え方があるんだという一つの感性として持っていてほしい。
ひどく心を揺さぶられる本です。
われわれは「目的」に沿って生きている
アドラーは、わたしたちは「目的」に沿って生きれいると断言しています。
わたし自身に置き換えると、
わたしは2013年8月末に「体調不良」で会社を退職したました。
でも今考えると、実体は逆です。
会社を辞めたいという目的が先にあり、その目的を達成するために「体調不良」になったのです。
このように自分の過去を振り返ると、
おうおうにして、「目的」のための行動であったことが分かります。
わたしに友達が少ないのも、
人とかかわるのが煩わしいという「目的」が先にあるんでしょうね。
アドラー曰く、
あなたは変われないのではありません。人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
悩みの全部は「対人関係」にある
これもアドラーは断言しています。
極論ですけど、この世に自分一人しか生きていなかったら、
悩みなんてものはなくなるそうですね。
(想像しがたいですが。)
多くの人は、
他人と比べたり、他人からどう思われているか気にしたり、劣等感、優越感を感じながら生きています。
それが悩みとなって自分自身を苦しめているのです。
そして「他者の価値観に生き、他者の人生を生きている。」とアドラーは言います。
自分と他人は違って当たり前だし、
やってることに差はあっても、人としての価値は同じ(対等)なのです。
悩まないようにするには、他者の人生を生きずに、自分の人生を生きることです。
アドラー曰く、
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
嫌われる勇気
タイトルにある「嫌われる勇気」。
これは、「自由」と紐づいている言葉です。
対人関係で悩んでいる人というのは、ようするに人から「嫌われたくない」んです。
上司の評価が気にして行動したり、、、恋人の気持ちが気になったり、、、
そりゃ誰だって嫌われたくないですが、
自分の人生を生きたければ(悩んでいる人は)、変えていかなければなりません。
「世間体ガ・・・」って言っている人はいい例でしょう。
目的論の話ですが、
「世間体があるから、行動が取れない」というのは全くおかしな話で、
行動を取りたくないという目的があって、「世間体ガ・・・」と言っているのです。
アドラーは言います。
自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。そして対人関係における自由のコストとは、他者から嫌われることなのです。
さらにユダヤの教えにこんな話があります。
「10人の人がいるとしたら、そのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうち2人は、互いにすべてを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ」と。 このとき、あなたを嫌う1人に注目するのか。それともあなたのことが大好きな2人にフォーカスをあてるのか。あるいは、その他大勢である7人に注目するのか。人生の調和を欠いた人は、嫌いな1人だけを見て「世界」を判断してしまいます。
いま、ここ、じぶん。その合計が じぶんの一生
「いま、ここ、じぶん。その合計が じぶんの一生」は相田みつおさんの言葉ですが、
アドラーも同じ考え方をしています。
(相田みつおさんスゲー。)
ようするに人生計画なんてバカじゃないの?って話です。
わたしたちは過去と未来を考えすぎです。
でも、そんなものに意味はないんです。
アドラーは、過去○○があったから、今○○になったという考えを明確に否定しているし、
未来なんて分かんないでしょって考えです。
(というか、いつ死んでもその人の人生は100%完結するのです。)
大事なのは「いま、ここ」。
人生なんて振り返ってみれば、なんで今自分がここにいるか分からないものです。
アドラー曰く、
われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。過去が見えるような気がしたり、未来が予測できるような気がしてしまうのは、あなたが「いま、ここ」を真剣に生きておらず、うすらぼんやりとした光のなかに生きている証です。 人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。
まとめ
・・・。
うぅ、・・・難しい。
チョー面白かったけど。
まだまだ書ききれていない哲学が山ほどあるし、
わたしの解釈が間違っている部分もあるかもしれません・・・。(すいません。)
なんとなく理解はできたけど、やっぱり納得しきれない自分もいます。
「いま、ここ」と言っても、30年後の人生はどうなるんだ。とか、
それでも他人の評価って大事じゃね。とか、
色々考える所はあります。頭では理解してるつもりなんですけどね。。。
おそらく今後何度も読み返すでしょう。
一朝一夕では理解しきれない濃い哲学がふんだんに詰め込まれていました。
しかし、良い本に巡り合えたなぁ!
これだから本屋巡りはやめられない。