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パンジーの「いいね!」ブログ

伊坂幸太郎の文庫化されてる全25作品+5をおすすめ順にランキング形式で紹介します!

      2016/07/23  

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わたしは伊坂幸太郎が大好きで、文庫化されるたびに読んでいます。(厳密に言えば、Kindle化されてから。)
最初の本に出会ったのが2007年頃なので、もう10年くらい経つわけですね。

その10年間に発売された文庫を数えたら25作品もあり、つまり25作品をわたしは読んでいるわけですが、伊坂幸太郎に出会ってなければ10年間を合計しても25冊も本を読んでなかったことでしょう。
それくらい、小説といえばほぼ伊坂幸太郎しか読んでないです・・・。

(関連)⇒【伊坂幸太郎】単行本&文庫本の発売(予定)日の一覧表!新刊や最新作はこちらでチェック

そんなわたしが選ぶ、伊坂幸太郎の文庫化されている書籍を(わたしの)おすすめ順に紹介していきます!
正直ほとんど全部が好きなので中盤あたりは順不同だと思ってもらってもかまいません。

ちなみにトップ3は不動です。「伊坂幸太郎ここにあり!」というのが詰まった3冊なのでこれから伊坂作品に手をつける方にはここから入ってほしいなと思います。

ではいってみましょう!

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目次

伊坂幸太郎のおすすめの小説 24作品

オーデュボンの祈り

伊坂幸太郎のデビュー作。
わたしが初めて読んだ伊坂作品でもあり、伊坂幸太郎にハマった1冊でもあります。

日本であるけど日本でない、江戸時代に日本から隔離された島での出来事が物語の中心。
嘘しか言わない画家、体重300キロのウサギさん(人)、島の法律として殺人を許された男、「未来が見える」しゃべるカカシ。

本島から突然連れてこられた主人公と島の人々との会話のチグハグ感がなんとも心地良いです。
面白いキャラ設定、洒落た会話はこの頃からあって、とても楽しくてずっとその世界の中のお話を聞いていたくなります。

ミステリーの筋としては、「カカシ」殺人事件。
しゃべる「カカシ」がメインに据えられる時点で世界観がファンタジーすぎますね笑

「千と千尋の神隠し」とか「不思議の国のアリス」に通じるものがあるので、こういうのに拒否反応がある人には向いてないかもしれません。

至るところに伏線を張り巡らせ、最後に一気に回収していく爽快感は流石です。

あらすじ

警察から逃げる途中で気を失った伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。
翌日、島の預言者・喋るカカシが死体となって発見される。

未来を見通せるはずのカカシが、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?

ラッシュライフ

点と点が繋がる瞬間がなんとも心地いい作品です。

物語は5人の視点から書かれています。
傲慢な画廊、職業泥棒の男、自信過剰な女性カウンセラー、悲壮感漂う無職のおっさん、神に憧れる男。それぞれがそれぞれの人生を歩んでいたはずが、少しずつ重なりあって未来が作られていきます。

物語の本質とは関係ないですけど、エッシャーの騙し絵と「好きな日本語を教えて下さい」と声をかける外国人が芯としてあって、そこに対する各人の考え方、思いの違いがとてもおもしろいです。

時系列も少しずつ異なっていて、かなり練られて作ったんだろうなーと思う作品。
それくらい完成度も高くて、終盤のたたみ方はやはり気持ちいいものでした。

あらすじ

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
父に自殺された青年は神に憧れる。
女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。
職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。

幕間には歩くバラバラ死体登場―。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

陽気なギャングが地球を回す

とにかくキャラが個性的でそれぞれが面白い!
3ページくらい平気でカギ括弧(会話)だけで書かれてたりしますが、それでも誰がしゃべっているのか分かるくらいキャラが立っています。

話の筋はもちろんミステリーなんですけど、コメディ要素が強くて笑いながら読めちゃう1冊です。
銀行強盗という仕事がなんだかカッコいいなーと思わせるのも、キャラの魅力がなせる技でしょう。

伊坂幸太郎の個性的なキャラ、セリフの言い回し、楽しい会話に浸れる本です。

小説をほとんど読んでこなかった人も、苦手だという人も、この本はすんなり読めると思いますよ。

あらすじ

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。
この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。
せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!

グラスホッパー

めちゃくちゃカッコいい殺し屋たちが出てくるお話。

「押し屋」と呼ばれる、歩道で立っている人を後ろから押して車に轢き殺させる殺し屋。
「鯨」と呼ばれる、相手を自殺に追い込む殺し屋。
「蝉」と呼ばれる、ナイフを巧みに扱う使う殺し屋。

それぞれの殺し屋が超かっこいいです。

そして、現実世界代表の主人公「鈴木」の真面目さも面白い!
「鈴木」「鯨」「蝉」の3視点で書かれていて、前述した「ラッシュライフ」と似ていて点と点が部分部分で繋がっていきます。

手に汗握ると言いますか「この物語はどうなっていくんだ・・・!」と読む手が止まらなくなる疾走感溢れる作品です。

あらすじ

「復讐を横取りされた。嘘?」

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。

一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。

疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

死神の精度

死神である「千葉」が出会う6つの物語。
やっぱりキャラ作りがうまくて、死神なのに重々しくなく、空気の読めない面白いキャラクターに仕上がってます笑

死が目前に迫った6人の人生を覗き見る形になります。もちろんそれぞれの思いや生き方があって死神「千葉」を通じてその人生が良くも悪くも少し前に進みます。
エンターテイメント性もありますが、やはり死がメインテーマなので切なくなったり、考えさせられたりします。

6つの短編小説ですが、最後にはまとまっていくところがさすがは伊坂幸太郎といったところでしょうか。

あらすじ

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。
一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

夜の国のクーパー

初期の作品に比べると物足りなくなっきている伊坂作品ですが、この作品はめちゃくちゃ面白かったです。
「オーデュボンの祈り」に似たような、どこか遠い国のお話が舞台です。

もしかしたらこういった現実世界から急に別世界に飛ばされてそこで繰り広げられる摩訶不思議な物語が好きなのかもしれません。

ある小国が舞台のお話なんですけど、なんとなく進撃の巨人の舞台をイメージして読み進めてました。ヨーロッパの中世的な感じですかね。
猫視点のネズミを追いかける描写とか、柳の木の化け物の話とか、面白かった!

ちなみにオチはなんとなく理解できまたが笑
分かっていても世界観が面白いのいでわたし的にはOKです!

個人的には世界観を楽しむ本かなと。

あらすじ

目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。
仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すものだから、驚きが頭を突き抜けた。
「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」猫は摩訶不思議な物語を語り始める―これは猫と戦争、そして世界の秘密についてのおはなし。

マリアビートル

「グラスホッパー」の登場人物も出てきたりする、こちらも殺し屋のお話。
舞台は新幹線の中で、時間にすると東京から盛岡のほんの2時間半程度の物語です。

場所が限られている。時間も限られている。だからこその疾走感と言いますが、「グラスホッパー」同様にどんどん先を読む手が止まらなくなります。
新幹線という乗り物もその疾走感を後押ししているのかもしれません。

元殺し屋の「木村」、生意気な中学生「王子」、2人組の殺し屋「蜜柑」「檸檬」、運の悪い殺し屋「七尾」の4人の視点から書かれています。

それぞれの思惑が絡まり合い「あれ、さっきまでここにあったのに。」的なことが繰り返し起こります。
思い通りにならないながらも新幹線の停車に向けて確実に物語は進んでいきます。

めちゃくちゃ面白いので、一気に読むことをおすすめします。

あらすじ

酒浸りの元殺し屋「木村」。
狡猾な中学生「王子」。
腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。
運の悪い殺し屋「七尾」。

物騒な奴らを乗せた東北新幹線は疾走する!
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。

ガソリン生活

伊坂さんの文庫作品では最新作。
いやぁ、めちゃくちゃ面白かったです!
歴代の伊坂作品の中でもトップクラスの面白さ。

意識のある車の視点で語られる長編ミステリー。
緑のデミオかわいい!
伏線の回収に次ぐ回収。もう読む手が止まりません!

興奮冷めやらぬ内に書いた感想⇒伊坂幸太郎「ガソリン生活」の感想。伏線の回収に次ぐ回収!意識のある緑のデミオが可愛い

あらすじ

聡明な弟・亨と、のんきな兄・良男の でこぼこ兄弟が
ドライブ中に乗せたある女優が、翌日急死!
一家はさらなる謎に巻き込まれ…!?

車同士が楽しくおしゃべりする
唯一無二の世界で繰り広げられる仲良し家族の冒険譚!
愛すべきオフビート長編ミステリー。

アヒルと鴨のコインロッカー

大学入学で一人暮らしを始めるためにアパートに引っ越してきたばりの青年が主人公なんですけど、
ちょうど同じような境遇だったわたしは、主人公に感情移入して読むことができました。

現在と2年前を場面が行き来しながら物語は進んでいきます。

一言で言うと、「切ない」作品。
タネ明かしが始まってくる辺りからもう無情感が止まりません。心がギューっと締め付けられる感じでした。

初期の伊坂作品らしい、伏線の貼り方とラストの収束のさせ方は見事です。
ですが、伏線の回収よりも読み終えたあとの「切なさ」が勝り、本を閉じた後はしばらくボーッとしてしまいました・・・。

あらすじ

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

モダンタイムス【上・下】

上下で分けられてる伊坂作品の中で最もボリュームのある作品。

超能力者とか突飛なファンタジー的な設定もありながら現実社会ともリンクする大きめなスケールの話で、
賛否が別れる作品でもありますが、わたしは大好きです!

時系列的には、後述する「魔王」の続編にあたりますが、どちらを先に読んでもストーリー的には問題ないです。(が、魔王を先に読んだほうが登場人物が分かってより面白いかもしれません。)

成熟しすぎた社会だからこそ起こりうる近未来的な話でもあり、現代でもありうる話です。
当ブログでも書評(→伊坂幸太郎著「モダンタイムス」の感想(書評)。久しぶりに読んだら超超超おもしろかった!!!「検索から監視が始まる。」)を書いていて、その時は、

1個人 VS 何かよく分からない巨大なもの

という表現をしました。

伊坂幸太郎曰く「社会というものはシンプルだと思っていた。しかし最近、思っているより複雑で良く分からないんじゃないか?そういった部分を小説で表現していきたい。」

あらすじ

【上】
恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。
けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。
そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。
彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。

【下】
5年前の惨事――播磨崎中学校銃乱射事件。
奇跡の英雄・永嶋丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。
謎めいた検索ワードは、あの事件の真相を探れと仄めかしているのか?
追手はすぐそこまで……大きなシステムに覆われた社会で、幸せを掴むには――問いかけと愉しさの詰まった傑作エンターテイメント!

残り全部バケーション

最近(あるキング以降)の伊坂作品の中では、ぶっちぎりでNo.1でした。
初期のころの伊坂作品を見てるかのような楽しさ。

キャラが立ち、内容がわかりやすく、怒涛のラスト!
悪党なんだけどなぜか憎めない、そして、かっこいい!真面目なんだけど世間とちょっとずれてる、みたいなキャラクター書くのが本当にうまい気がします。

あらすじ

当たり屋、強請りはお手のもの。
あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。
ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、条件として“適当な携帯番号の相手と友達になること”を提示される。
デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。
かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブをすることに―。
その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。

終末のフール

八年前に隕石が落ちるという報道があり、それから五年たった今が舞台。
まず設定が面白いですよね。

「○年後に地球が滅亡するからパニックになる」っていう話はあっても、「そこから数年経ってある程度落ち着いた世界」を描こうなんて発想はどこから出てくるのでしょうか。

仙台のある街の団地に住む人々の視点から描かれた「今を生きている」人たちの短編小説集です。
世界観は穏やかでのほほんとしていて、読みながらゆったりとリラックスできる感じがします。

かっこ良すぎる名言もあるし、気をはらずに読めるので好きです。
どの章から読んでも面白いのではないでしょうか。

あらすじ

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。
そう予告されてから五年が過ぎた頃。
当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。
仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。
彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。
家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?
今日を生きることの意味を知る物語。

砂漠

読んでいてい羨ましさで胸が痛くなるような、大学での青春の話。
同じく大学時代に読んでいたわたしは、自分とのギャップに心を痛めてました笑

それでも、未熟さゆえの悩みであったり、突飛な行動、考え方なんかは共感できて「うん、うん。分かる、分かる。」と思いながら読んでました。
今読むと、「あぁ、若いっていいなぁ」と思ったりしてノスタルジックに浸ったりもします。

5人のキャラ設定は最高ですし、特に西嶋はブ男の設定なのにやけにカッコよかったりします。
わたしの性格は主人公寄り(物事を客観的に覚めた目で見るタイプ)だったこともあり、かなり感情移入して読むことができました。

ちなみに最後まで読むと砂漠の意味が分かります。

あらすじ

入学した大学で出会った5人の男女。
ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。
共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。
自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。
二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

重力ピエロ

半分しか血のつながりのない主人公と、弟の「春」の家族の物語。

話は面白いんですが、テーマがちょっと重いです・・・。
それでも、重くなりすぎないように軽めに書かれているのが伊坂幸太郎の力かなと思ったり。

人は生まれながらに重力を感じています。生まれてくることに誰も抗えません。
心に闇を抱える弟、そして兄、家族の絆の強さが表現された感動の作品です。

「俺たちは最強の家族だ」という父親の言葉が忘れられません。

あらすじ

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。
春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。

ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。
町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。
連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

チルドレン

短編のような長編のような。

5つの短編がいろんな時系列で描かれていて、ところどころ繋がっていて、最後にまとまるという伊坂幸太郎お決まりのパターン!
登場する人物も日常的な会話も魅力的で、伊坂幸太郎の良いところが詰まったような作品になっています。

やっぱり濃くて魅力的なキャラクターが登場する伊坂作品はいいですね。
気軽に読める割に面白くて楽しい作品です!

あらすじ

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。
彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。
何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。
ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

ジャイロスコープ

7つの短編が詰まった作品。

短編はそれぞれ面白かったですし、長編のような「伏線を張り巡らせて最後に一気に回収する」といった期待をしないで1つ1つの短編集として読めば、とても楽しめる1冊です!
周りの評価はあまり良くないようですが、わたしはとても好きです。

個人的には、怪しげな相談屋を描いた「浜田青年ホントスカ」と、広大な砂漠をひた走るなぞのバス「ギア」、サンタクロースの組織「一人では無理がある」を気に入っています。

あらすじ

助言あり〼(ます)――。
スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。
人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。
バスジャック事件を巡る“もし、あの時……”を描く「if」。
文学的挑戦を孕んだ「ギア」。
洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。
書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。

魔王

一定の音階で物語が進んでいくようなイメージです。
伊坂幸太郎の醍醐味の最後に伏線を回収して畳み掛けるようなこともなく、スーンって終わるような感じが物足りなく感じる人もいるかもしれません。

ただ、テーマというか投げかけるメッセージは強く伝わってきます。

右へならえの日本で、「これっておかしいんじゃないか」と自分の頭で考え、そして行動に起こす。
大きな濁流の中でただ一人で戦おうとした男のお話です。

ちなみに超能力が出てきますが、読者を飽きさせないための工夫くらいに思ってもらえるといいと思います。

「魔王」のあとの世界が「モダンタイムス」なので、合わせて読みたい作品です。

あらすじ

魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。

会社員の安藤は弟の潤也と2人で暮らしていた。
自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、1人の男に近づいていった。
5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。
新たなる小説の可能性を追求した物語。

陽気なギャングの日常と襲撃

「あの4人組が帰って来た!」
陽気なギャングシリーズの2作目です。

強烈な個性を持つ4人のキャラクターは健在で、やっぱり会話を聞くだけですごく楽しい。

前作との直接的なつながりはないのでどちらから読んでも大丈夫です。
ただ、個人的には1作目の方が好きです。

事件はおまけみたいな感じで、4人のセリフと会話が聞けるだけで個人的には満足です。

あらすじ

嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。
そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。
しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。
知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。

フィッシュストーリー

4つの個別の中編が集まった小説。
タイトルのフィッシュストーリーはその中の1つです。

他の小説みたいに部分的に絡まるといったこともないです。それぞれでちゃんと完結している作品ですね。

すごいのは、この4つの中編の内、2つが映画化されているところ。
1冊の本で2つの映画ができるなんて・・・。(フィッシュストーリーとポテチ)

「フィッシュストーリー」は、1枚のCDが時空を超えて起こす繋がり、奇跡のお話。
見事な話の回収のさせかたはもちろんのこと、最後のセリフがめちゃくちゃカッコよくて印象に残ってます。

あらすじ

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。
爽快感溢れる作品集。

ゴールデンスランバー

ハリウッド映画的な大きなスケールの物語。
首相暗殺の犯人に仕立てあげられた男のとにかく「逃げまくる」逃走劇です。

正直、ご都合主義的な感じは否めません。
「世間が敵になっても、信じてくれている人はいる」という感じでしょうか。

ピンチになった時に救ってくれるのは?
どういう逃げ方のトリックを使うのか?
この人は信じていいのか?
裏切り者は誰か?

捕まったら終わりの中で、逃げまくる主人公の鼓動にリンクするように、
読んでいるこっちもドキドキしてきます。

あらすじ

衆人環視の中、首相が爆殺された。
そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?
何が起こっているんだ?
俺はやっていない――。
首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。
暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。
行く手に見え隠れする謎の人物達。
運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。
スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

SOSの猿

他の人の読んだ感想とか聞いてると、「微妙」とか「面白くない」といった感想が多かったので、そんな期待せずに読んだんですが、
面白いじゃないですか!!!
わたしは好きでしたよ。

確かに、伊坂幸太郎らしい痛快なラストではなかったですけど、
扱ってるテーマ(因果関係はどこまで遡れる?)とか、猿のキャラ設定とか、軽快な会話とか、退屈することなく読めました。

伏線はあってないようなもので(めっちゃショボイ)、なんというかメッセージ性の強い作品ですかね。
漫画のエンターテイメント的な面白さを感じました。

あらすじ

三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。
奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。
「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?
そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。

オー!ファーザー

4人の父親がいるというなんとも奇天烈な設定です。
キャラが多くてもしっかり個性をつけられるところが伊坂幸太郎のすごいところで、4人とも面白いキャラに仕上がっています。

物語としては「そこに繋がのか!」という場面はあったものの、どうも物足りなかったです。
ギャグ要素が強く、系統としては「陽気なギャング」シリーズに近いものを感じます。

あらすじ

一人息子に四人の父親!?
由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。
個性溢れる父×4に囲まれて、高校生が遭遇するは、事件、事件、事件――。
知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。
伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。

PK

時空を超えた短編3つが繋がるというお話。
「勇気は伝染する」というテーマで、時空を超えて勇気が人から人へと移っていきます。

最後は「あぁ、この人が!!!」と気持ちいい感じはしますが、初期の伊坂作品と比べると物足りない感も。
読んでて迷子になったりして、全体的に読みにくさがありました・・・。

あらすじ

彼は信じている。
時を超えて、勇気は伝染する、と――人は時折、勇気を試される。
落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。
読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

バイバイ、ブラックバード

マツコ・デラックス的な女性が監視役で登場する作品。
5人の彼女がいる主人公が<あのバス>で連れて行かれる前に5人それぞれに別れを告げる挨拶に行くというお話で、
なんというか、<あのバス>の存在もよく分からないし、彼女に挨拶することによって主人公の人柄を伝えようとしているんだろうけど、

ミステリー的な要素がなく、退屈でした。

キャラの設定とか、会話や言い回しはやはり面白いので、読み進めることはできますが、
ストーリーとしては、なにも起きないまま途中で終わってしまった感が否めません。

あらすじ

星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。

あるキング

自分の頭が悪いだけだと思いますが、最初から最後まで何を言っているのかが良く分かりませんでした笑
野球の話なんですけど、度を超えた天才で現実離れしすぎているし、ストーリーの展開も、オチもよく分からない・・・。
洒落た会話も、ミステリー要素もありません。

大学のころ一回読んだだけで敬遠していたのですが、年を取った今、また読んでみると違った感想になるのかもしれません。

あらすじ

この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います。
意外性や、ハッとする展開はありません。
あるのは、天才野球選手の不思議なお話。
喜劇なのか悲劇なのか、寓話なのか伝記なのか。
キーワードはシェイクスピアの名作「マクベス」に登場する三人の魔女、そして劇中の有名な台詞。
「きれいはきたない」の原語は「Fair is foul.」。
フェアとファウル。
野球用語が含まれているのも、偶然なのか必然なのか。
バットを持った孤独な王様が、みんなのために本塁打を打つ、そういう物語。

伊坂幸太郎のエッセイ 2作品

3652 伊坂幸太郎エッセイ集

作品の裏話が満載な作品。
10年間のまとめだけあって時系列的に、膨大な量のエッセイがあります。

その時その瞬間、どう思っていたのか。
あの受賞の電話の前で、並行して書いていた作品の裏で、あの発想の裏には、みたいな。

伊坂作品をコンプリートしてるようなファンが読むと、より伊坂幸太郎を好きになるんじゃないでしょうか。

あらすじ

エッセイが得意ではありません――。
自らはそう語る伊坂幸太郎がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。
愛する小説、映画、音楽のこと。
これまた苦手なスピーチのこと。
そして、憧れのヒーローのこと。
趣味を語る中にも脈々と流れる伊坂的思考と、日常を鮮やかに切り取る文体。
15年間の「小説以外」を収録した、初のエッセイ集。
裏話満載のインタビュー脚注つき。

仙台ぐらし

伊坂さんの日常で身の回りに起こった出来事が中心のエッセイ集。
本来の文体というか、特に気負わず書いているなーといった印象です。

フィクションなしのリアルな日常なので、内容としては特に面白くはないですが、
普段どんなことを思って生活をしているのか、伊坂幸太郎の素の部分が感じられます。

特に、東日本大震災の時に、仙台に住む彼がどんな心情で過ごしていたのかはここにしか載っていないかもしれません。

あらすじ

仙台に暮らす心配性の著者が、身の回りで起きたちょっとおかしな出来事を綴る。
2005年から2015年までに書き溜められたエッセイ集。

Kindleのみ 3作品

無事これ貴人

ちょっとした関わりのある人たちの物語が連鎖してつながっていく作品。

ページはめっちゃ少なくて、たぶん時間にして30分もかからずに読み終えちゃうと思います。面白いか面白くないかで言うと特に面白いとは思いませんが、伊坂感は出ています。

なんというか、伊坂幸太郎が「これくらいなら楽勝に書けますよ」的な感じをアピールしてるような印象を受けました笑

あらすじ

明らかに遺産目当てで見舞いに訪れた甥を、「金目のものは全部処分した」と告げて追い返した男は、目の前の病院の女性スタッフに、涙混じりで唐突に過去を語り出す。その男を検温するために病室に入ってきた看護師は、ピンチになると、どこからともなく現れては救ってくれる謎の男が、実は死んだはずの父なのではないかと疑っていた……。すべてはどこかで繋がっている、のか? 連鎖が連鎖を呼び、小さな日常の果てに、あり得ない光景が浮かび上がる。これぞ小説の醍醐味。だからフィクションは面白い。

クリスマスを探偵と

大学時代に初めて書いた小説をリライトしたものらしい。
伊坂幸太郎にしては珍しくヨーロッパが舞台となっています。(伊坂作品はほとんど仙台)

どこまでをリライトしたのかは分かりませんが、楽しい会話や、ほんわかした温かみみたいなものは、昔も今も(いい意味で)変わらないなーって思います。
寒い冬のヨーロッパの情景が浮かびますが、心は温かくなる、そんな物語です。

30ページぐらいしかないのでサクッと読めちゃいます。
伊坂ファンには必見の1冊ではないでしょうか。

あらすじ

舞台はドイツ、童話に出てくるような町、ローテンブルク。
探偵カールがクリスマスの夜に出会った、不思議な男とは……?
伊坂幸太郎が初めて書いた小説が、自身の手により、20年の時を経て完全リメイク!
クリスマスを彩るにふさわしい、大人も子どもも楽しめるハートウォーミングな一篇です。
デビュー10周年を記念して刊行された総特集ムック『文藝別冊 伊坂幸太郎』収録、作家の創作の原点となった物語。

透明ポーラーベア/I LOVE YOU

「I LOVE YOU」という恋愛をテーマに色んな作家が短編を持ち寄ってできた小説で、その中の一人が伊坂幸太郎です。

伊坂さんってたぶん「繋がり」が好きなんでしょうね。
「今見てるこの星はきっとあの子も見てるだろうな(見ててくれるといいな)」的な。

そういった繋がりが起こす奇跡というか、「ちょっといい」ことを書くのが絶妙にうまいなって思います。

「透明ポーラーベア」は、伊坂ワールドの「繋がり」を感じることができて、切ないけど少しほっこりします。読み終えた後は少し前を向けるような気がするのではないでしょうか。
短編小説でサクッと読めちゃうこともあって定期的に読みたくなる1冊です。

あらすじ

シロクマは姉が好きだった動物だ。
3年前、カナダで行方不明になった姉が。
僕は偶然、動物園で姉の最後の恋人に出会った。
「姉の彼氏」群の中では一番好感を抱いていた人だ。
僕たちはなんとなく流れでダブルデ-トすることになるが…。
話題の恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』収録の珠玉短編、伊坂幸太郎が紡ぎ出す人と人との繋がりの奇跡。

小説初心者におすすめ

伊坂幸太郎といえば、「小説を敬遠していた初心者におすすめ」とフレコミをよく耳にします。
褒め言葉なのか貶し言葉なのか分かりませんが、たしかに読みやすい!(わたしが読めるくらいだから。)

伊坂作品は全体的に読みやすいんですが、その中でも特に簡単に読めて面白いのは、

「陽気なギャングが地球を回す」

小説をほとんど読んだことがない、もしくは、小説が苦手という方は、まずこの本を手にとってみてはいかがでしょうか。

伊坂初心者におすすめ

伊坂幸太郎の作品に興味はあるけど、どれを選んだいいのか分からないという方は、

「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」

この初期の2本が伊坂幸太郎「らしさ」と言いますか、伊坂幸太郎の魅力を感じることができるんじゃないかなと思います。
他にもいろいろおすすめしたいんですが、挙げるとキリがないので、とりあえず初期ほうの作品から見るのがいいです!

登場人物は作品間でリンクしてたりする

伊坂作品は、作品間で登場人物や場所がリンクしていることがよくあります。

わたしが初期のころの伊坂作品を勧めるのは、もちろん面白いことが大前提としてあるのですが、
作品間でリンクしているからというのも理由としてあるのです。

1作目のオーデュボンの祈りに登場する「田中」は、なんと今では8作品をまたいで出現してます。
「あ、このキャラクター知ってる!」という気付きがあれば、よりワクワクして読むことができますよね。

(参考)⇒伊坂幸太郎の作品間でリンクしている登場人物(キャラクター)まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。
おすすめの伊坂幸太郎の本をまとめてみました。

伊坂ファンなら、上位の作品と下位の作品は結構似た感じになるんじゃないかなーと思ったりしてます笑

やっぱりわたしは、魅力的なキャラ、ちょっとほっこり、圧倒的なラスト、勧善懲悪、洒落た会話、かっこいい言い回し、
こういう要素が詰まった伊坂さんの作品が好きですね。

今後の作品にも期待しつつ、それまでは、何回目かの伊坂作品を読みなおしておきます。
次はなに読もうかなぁ。