

4つの中編から構成される、伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」の感想。
表題のフィッシュストーリーは4つの中の一つの物語です。
それぞれの物語が繋がるという仕掛けはなく、4つがそれぞれが独立して完結してます。
- 動物園のエンジン
- サクリファイス
- フィッシュストーリー
- ポテチ
4つの物語ごとに感想を!(かなり短い)
動物園のエンジン
不思議な設定の不思議な話。
変な設定や変人を作るのが得意な伊坂幸太郎がまた変人を作ってしまったというか。
動物園に寝泊まりする男をターゲットとして謎を(勝手に)膨らませていくお話。
途中までは楽しいけど、最後の方はちょっとさみしくなります。
シンリンオオカミの視点で書くのはずるいですよ、伊坂さん。
サクリファイス
重力ピエロから度々登場する、泥棒(副業で探偵)を生業としている黒澤が主人公となった作品。
物語の雰囲気はどことなくオーデュボンの祈りに似ています。
とある村の変な文化(風習)に巻き込まれてしまうお話です。
トリックとか金田一少年の事件簿のような、隔離されたその村ならではの独特の文化の話が好きなわたしはワクワクしながら読んでました。
フィッシュストーリー
伊坂幸太郎の「繋がり」の真骨頂を見れる作品。
まぁ冷静に見ればできすぎた話なんですが、それが分かった上でも心地よい。
一枚の売れないCDが時空を超えて繋がっていく、そんなお話。
繋がって報われる、伊坂幸太郎の真骨頂を見れます。(2回目)
4つの物語の中でも飛び抜けて好きな作品。
ポテチ
胸が締め付けられるようなそんなお話。
根が優しい泥棒の今村と、甲子園のヒーローだった尾崎。
2人の間には、実はとんでもない繋がりが。
尾崎の試合を観戦中に今村が母親に言った一言は本当に切ない。
普通に泣いちゃいました。
まとめ
それぞれの物語が短いからすぐネタバレしそうになる・・・。
短い話の感想って難しいなと思ったり。
表題のフィッシュストーリーはホント伊坂っぽさが出てるのでぜひ読んで欲しい作品です!